読書感想文

面白い小説本気レビュー

小野寺史宜 食っちゃ寝て書いて

『食っちゃ寝て書いて』

著者:小野寺史宜

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『食っちゃ寝て書いて』

小野寺史宜 著

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 タイトルから日常エッセイを想像していたが、蓋を開けてみれば本格的な小説作品で、その期待の裏切られ方が実に心地よい。壁にぶつかった作家・横尾成吾と、結果を出せずにもがく編集者・井草菜種、二人の視点が月替わりで切り替わる構成は、出版業界の内側を覗き見るような興味深さがある。 何より印象的なのは、仕事の停滞や将来への不安といった現代人共通の悩みを、これほどまでにリアルに描写している点だ。大きな事件や劇的な展開はないものの、食事を摂り、眠りにつき、文章を紡ぐという当たり前の行為に込められた意味の重さが、読み進めるうちにじわじわと胸に迫ってくる。短い文章で構成されているため疲れた心にも優しく、それでいて「継続することの価値」について深く考えさせられる作品である。読後、自分自身の日々の過ごし方を見つめ直したくなる、そんな静かな力を持った一冊だ。
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