読書感想文

面白い小説本気レビュー

堂場瞬一 刑事の枷

『刑事の枷』

著者:堂場瞬一

Amazonへ

『刑事の枷』

堂場瞬一 著

姿

スワイプして続きを読む

 堂場瞬一が描く警察小説の傑作である。川崎中央署を舞台に、組織から疎外されたベテラン刑事・影山康平と若手刑事・村上翼の凸凹コンビが織りなす捜査劇は、読み手を一気に引き込んでいく。 何より印象深いのは、警察という組織の複雑さと人間臭さである。正義感だけでは動かない現実、組織のしがらみや人間関係の重層性が丹念に描かれており、そこに身を置く刑事たちの苦悩が胸に迫る。影山の孤独な姿勢と村上の成長過程を通じて、刑事という職業の持つ矜持と苦労が浮き彫りになる。 地道な捜査の積み重ねが物語の骨格を成しているのも魅力だ。派手な展開よりも手続きのリアリティを重視した描写は、読者を現場の緊張感の中へと引き込む。物語が進むにつれて人物の背景や関係性が深まり、最終的には事件解決以上の余韻を残してくれる作品である。
その他の本 Amazonへ