『身から出た闇』
ホ
ラ
ー
小
説
の
新
し
い
可
能
性
を
切
り
開
く
、
実
に
興
味
深
い
一
冊
で
あ
る
。
作
家
が
出
版
社
に
短
編
を
送
る
た
び
に
担
当
編
集
者
が
体
調
を
崩
し
て
い
く
と
い
う
設
定
だ
け
で
も
十
分
に
不
穏
だ
が
、
本
書
の
真
骨
頂
は
短
編
作
品
と
編
集
過
程
の
記
録
を
交
互
に
配
置
す
る
構
成
に
あ
る
。
収
録
さ
れ
た
短
編
群
も
単
体
で
読
み
応
え
が
あ
り
、
古
典
的
な
怖
さ
か
ら
現
代
的
な
不
安
ま
で
幅
広
い
恐
怖
を
味
わ
え
る
。
し
か
し
何
よ
り
印
象
的
な
の
は
、
読
み
進
め
る
う
ち
に
「
こ
れ
は
本
当
に
起
こ
っ
た
出
来
事
な
の
で
は
」
と
い
う
疑
念
が
頭
を
も
た
げ
て
く
る
こ
と
だ
。
フ
ィ
ク
シ
ョ
ン
と
明
記
さ
れ
て
い
る
に
も
関
わ
ら
ず
、
編
集
者
た
ち
の
生
々
し
い
反
応
や
体
調
不
良
の
描
写
が
リ
ア
ル
す
ぎ
て
、
境
界
線
が
揺
ら
い
で
い
く
。
終
盤
に
向
け
て
散
ら
ば
っ
た
要
素
が
一
つ
の
線
で
つ
な
が
っ
て
い
く
構
成
も
見
事
で
、
ペ
ー
ジ
を
め
く
る
手
が
止
ま
ら
な
く
な
る
。
メ
タ
フ
ィ
ク
シ
ョ
ン
の
手
法
を
使
い
な
が
ら
も
、
純
粋
に
ホ
ラ
ー
作
品
と
し
て
完
成
度
が
高
い
。
現
実
と
虚
構
が
混
じ
り
合
う
新
感
覚
の
恐
怖
体
験
を
求
め
る
読
者
に
は
、
ぜ
ひ
手
に
取
っ
て
も
ら
い
た
い
作
品
で
あ
る
。
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ホラー小説の新しい可能性を切り開く、実に興味深い一冊である。作家が出版社に短編を送るたびに担当編集者が体調を崩していくという設定だけでも十分に不穏だが、本書の真骨頂は短編作品と編集過程の記録を交互に配置する構成にある。 収録された短編群も単体で読み応えがあり、古典的な怖さから現代的な不安まで幅広い恐怖を味わえる。しかし何より印象的なのは、読み進めるうちに「これは本当に起こった出来事なのでは」という疑念が頭をもたげてくることだ。フィクションと明記されているにも関わらず、編集者たちの生々しい反応や体調不良の描写がリアルすぎて、境界線が揺らいでいく。 終盤に向けて散らばった要素が一つの線でつながっていく構成も見事で、ページをめくる手が止まらなくなる。メタフィクションの手法を使いながらも、純粋にホラー作品として完成度が高い。現実と虚構が混じり合う新感覚の恐怖体験を求める読者には、ぜひ手に取ってもらいたい作品である。