読書感想文

面白い小説本気レビュー

辻堂ゆめ ふつうの家族

『ふつうの家族』

著者:辻堂ゆめ

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『ふつうの家族』

辻堂ゆめ 著

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 一見何の変哲もない湘南の住宅街。そこに暮らす四人家族の日常が、たった一人の青年の出現によって静かに揺らぎ始める。辻堂ゆめの『ふつうの家族』は、私たちが当たり前だと思い込んでいる家族像に、鋭い疑問符を突きつける作品である。 停電の夜という非日常的な設定が絶妙で、暗闇の中で浮かび上がる家族それぞれの本音や隠された思いに、読み手も息を呑む。父も母も、兄も妹も、誰もが表の顔とは違う一面を抱えており、その複層性こそが人間の真実なのだと気づかされる。 派手な展開やどんでん返しを求める読者には物足りないかもしれないが、この作品の真価は別のところにある。家族という最も身近な人間関係の中で、私たちは本当にお互いを理解しているのだろうか。そんな根源的な問いを、静かながらも確実に心に刻み込んでくる一冊だ。
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