『汝、星のごとく (講談社文庫)』
こ
の
作
品
は
、
読
み
終
え
た
後
も
心
の
奥
で
ず
っ
と
響
き
続
け
る
小
説
で
あ
る
。
瀬
戸
内
の
静
か
な
島
を
舞
台
に
、
家
庭
の
事
情
に
翻
弄
さ
れ
る
二
人
の
少
年
少
女
が
織
り
な
す
物
語
は
、
単
な
る
恋
愛
小
説
の
枠
を
遥
か
に
超
え
て
い
る
。
主
人
公
た
ち
の
視
点
が
巧
み
に
切
り
替
わ
り
な
が
ら
進
む
物
語
は
、
読
者
を
深
い
没
入
感
の
中
へ
と
引
き
込
む
。
互
い
に
惹
か
れ
な
が
ら
も
、
家
族
と
い
う
重
い
鎖
に
縛
ら
れ
て
す
れ
違
っ
て
い
く
二
人
の
心
情
が
、
あ
ま
り
に
も
痛
切
に
描
か
れ
て
い
る
。
親
の
都
合
で
人
生
を
左
右
さ
れ
る
若
者
の
苦
悩
は
、
現
代
を
生
き
る
多
く
の
人
に
と
っ
て
他
人
事
で
は
な
い
だ
ろ
う
。
凪
良
ゆ
う
が
描
く
の
は
、
綺
麗
事
で
は
な
い
現
実
で
あ
る
。
誰
か
の
た
め
に
自
分
を
犠
牲
に
す
る
こ
と
を
美
化
せ
ず
、
自
分
自
身
の
人
生
を
生
き
る
こ
と
の
困
難
さ
と
大
切
さ
を
真
正
面
か
ら
問
い
か
け
て
く
る
。
ペ
ー
ジ
を
め
く
る
手
が
震
え
る
ほ
ど
の
切
な
さ
と
、
そ
れ
で
も
前
に
進
も
う
と
す
る
登
場
人
物
た
ち
の
強
さ
に
、
読
後
は
深
い
感
動
と
余
韻
に
包
ま
れ
る
。
現
代
文
学
が
持
つ
力
を
改
め
て
実
感
さ
せ
ら
れ
る
傑
作
だ
。
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この作品は、読み終えた後も心の奥でずっと響き続ける小説である。瀬戸内の静かな島を舞台に、家庭の事情に翻弄される二人の少年少女が織りなす物語は、単なる恋愛小説の枠を遥かに超えている。 主人公たちの視点が巧みに切り替わりながら進む物語は、読者を深い没入感の中へと引き込む。互いに惹かれながらも、家族という重い鎖に縛られてすれ違っていく二人の心情が、あまりにも痛切に描かれている。親の都合で人生を左右される若者の苦悩は、現代を生きる多くの人にとって他人事ではないだろう。 凪良ゆうが描くのは、綺麗事ではない現実である。誰かのために自分を犠牲にすることを美化せず、自分自身の人生を生きることの困難さと大切さを真正面から問いかけてくる。ページをめくる手が震えるほどの切なさと、それでも前に進もうとする登場人物たちの強さに、読後は深い感動と余韻に包まれる。現代文学が持つ力を改めて実感させられる傑作だ。