『パッキパキ北京』
綿
矢
り
さ
が
描
く
コ
ロ
ナ
禍
の
北
京
は
、
想
像
以
上
に
エ
ネ
ル
ギ
ッ
シ
ュ
で
生
々
し
い
。
主
人
公
・
菖
蒲
が
愛
犬
と
と
も
に
夫
の
待
つ
中
国
へ
向
か
う
と
こ
ろ
か
ら
物
語
は
始
ま
る
が
、
彼
女
の
持
つ
観
察
眼
の
鋭
さ
に
驚
か
さ
れ
る
。
隔
離
施
設
で
の
息
苦
し
い
日
々
か
ら
、
街
中
に
溢
れ
る
食
の
匂
い
、
現
地
の
人
々
と
の
何
気
な
い
交
流
ま
で
、
す
べ
て
が
菖
蒲
の
独
特
な
感
性
を
通
し
て
鮮
や
か
に
描
き
出
さ
れ
る
。
特
に
印
象
的
な
の
は
、
食
べ
物
へ
の
執
着
と
も
言
え
る
描
写
の
数
々
で
あ
る
。
読
ん
で
い
る
と
自
分
も
一
緒
に
北
京
の
街
角
に
立
っ
て
い
る
よ
う
な
錯
覚
に
陥
り
、
思
わ
ず
唾
液
が
湧
い
て
く
る
。
ま
た
、
異
国
で
の
夫
婦
関
係
の
微
細
な
変
化
も
見
事
に
捉
え
ら
れ
て
お
り
、
文
化
の
違
い
が
人
間
関
係
に
与
え
る
影
響
に
つ
い
て
深
く
考
え
さ
せ
ら
れ
る
。
菖
蒲
の
タ
フ
で
前
向
き
な
姿
勢
は
読
者
を
元
気
に
し
て
く
れ
る
。
彼
女
が
体
験
す
る
混
沌
と
し
た
日
常
は
、
私
た
ち
が
忘
れ
が
ち
な
「
生
き
る
」
こ
と
の
本
質
的
な
面
白
さ
を
思
い
出
さ
せ
て
く
れ
る
一
冊
だ
。
スワイプして続きを読む
綿矢りさが描くコロナ禍の北京は、想像以上にエネルギッシュで生々しい。主人公・菖蒲が愛犬とともに夫の待つ中国へ向かうところから物語は始まるが、彼女の持つ観察眼の鋭さに驚かされる。隔離施設での息苦しい日々から、街中に溢れる食の匂い、現地の人々との何気ない交流まで、すべてが菖蒲の独特な感性を通して鮮やかに描き出される。 特に印象的なのは、食べ物への執着とも言える描写の数々である。読んでいると自分も一緒に北京の街角に立っているような錯覚に陥り、思わず唾液が湧いてくる。また、異国での夫婦関係の微細な変化も見事に捉えられており、文化の違いが人間関係に与える影響について深く考えさせられる。 菖蒲のタフで前向きな姿勢は読者を元気にしてくれる。彼女が体験する混沌とした日常は、私たちが忘れがちな「生きる」ことの本質的な面白さを思い出させてくれる一冊だ。