読書感想文

面白い小説本気レビュー

早見和真 アルプス席の母

『アルプス席の母』

著者:早見和真

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『アルプス席の母』

早見和真 著

姿

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 母親の視点から高校野球を描いた本作は、従来の選手中心の作品とは一線を画す独特の魅力を持っている。看護師として働きながら息子の夢を支える菜々子の姿には、親として共感せずにはいられない深い愛情が込められている。 特に印象的なのは、大阪という慣れない土地での母親たちの人間関係である。保護者会の暗黙のルールや費用負担の問題など、スポーツの世界の裏側にある現実を丁寧に描写している。時として読み手の胸を締め付けるような場面もあるが、それこそがこの物語の真実味を物語っている。 息子・航太郎の成長と並行して描かれる菜々子の変化も見どころである。困難な状況に直面しながらも、新しい友人との出会いを通じて自分自身の居場所を見つけていく過程は、多くの読者の心に響くだろう。親子の絆を軸にした、温かくも現実的な青春小説として強く推薦したい作品である。
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