『シンデレラ城の殺人』
童
話
『
シ
ン
デ
レ
ラ
』
と
い
え
ば
、
美
し
く
可
憐
な
お
姫
様
を
思
い
浮
か
べ
る
が
、
こ
の
作
品
の
シ
ン
デ
レ
ラ
は
全
く
違
う
。
打
た
れ
強
く
、
知
的
で
、
困
難
に
立
ち
向
か
う
意
志
の
強
さ
を
持
っ
た
女
性
と
し
て
描
か
れ
て
お
り
、
そ
の
新
鮮
な
キ
ャ
ラ
ク
タ
ー
造
形
に
最
初
か
ら
心
を
掴
ま
れ
る
。
物
語
は
王
国
イ
ル
シ
オ
ン
の
城
で
起
こ
っ
た
事
件
を
中
心
に
展
開
す
る
が
、
単
な
る
童
話
パ
ロ
デ
ィ
と
侮
っ
て
は
い
け
な
い
。
「
0
時
ま
で
」
と
い
う
童
話
由
来
の
時
間
制
限
が
、
推
理
と
捜
査
の
タ
イ
ム
リ
ミ
ッ
ト
と
し
て
機
能
し
、
読
者
も
一
緒
に
焦
燥
感
を
味
わ
い
な
が
ら
ペ
ー
ジ
を
め
く
る
こ
と
に
な
る
。
何
気
な
い
会
話
や
描
写
が
後
に
な
っ
て
重
要
な
手
が
か
り
と
な
る
構
成
は
見
事
で
、
一
文
た
り
と
も
読
み
飛
ば
せ
な
い
緊
張
感
が
続
く
。
法
廷
劇
の
よ
う
な
駆
け
引
き
と
ス
ピ
ー
ド
感
に
満
ち
た
展
開
で
、
二
転
三
転
す
る
状
況
に
翻
弄
さ
れ
な
が
ら
も
、
最
後
ま
で
謎
の
全
貌
が
見
え
な
い
絶
妙
な
バ
ラ
ン
ス
感
覚
は
圧
巻
で
あ
る
。
童
話
の
世
界
観
と
本
格
ミ
ス
テ
リ
ー
の
醍
醐
味
を
両
立
さ
せ
た
、
革
新
的
な
一
冊
と
い
え
る
だ
ろ
う
。
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童話『シンデレラ』といえば、美しく可憐なお姫様を思い浮かべるが、この作品のシンデレラは全く違う。打たれ強く、知的で、困難に立ち向かう意志の強さを持った女性として描かれており、その新鮮なキャラクター造形に最初から心を掴まれる。 物語は王国イルシオンの城で起こった事件を中心に展開するが、単なる童話パロディと侮ってはいけない。「0時まで」という童話由来の時間制限が、推理と捜査のタイムリミットとして機能し、読者も一緒に焦燥感を味わいながらページをめくることになる。何気ない会話や描写が後になって重要な手がかりとなる構成は見事で、一文たりとも読み飛ばせない緊張感が続く。 法廷劇のような駆け引きとスピード感に満ちた展開で、二転三転する状況に翻弄されながらも、最後まで謎の全貌が見えない絶妙なバランス感覚は圧巻である。童話の世界観と本格ミステリーの醍醐味を両立させた、革新的な一冊といえるだろう。