読書感想文

面白い小説本気レビュー

法条遥 リライト〔新版〕

『リライト〔新版〕』

著者:法条遥

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『リライト〔新版〕』

法条遥 著

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 時間SF小説の常識を覆すような作品に出会った。10年の時を隔てた二つの夏を往復する物語は、読み進めるごとに現実感覚を揺さぶってくる。章が進むたびに「私」という存在の境界が曖昧になり、因果律そのものが崩壊していく過程には背筋が凍る思いがした。 特筆すべきは、パラドックスの描写の緻密さである。単なるタイムトラベル小説とは一線を画し、論理的な破綻を徹底的に追求する姿勢には圧倒される。読者の集中力と理解力を容赦なく試してくる構成は、まさに知的格闘技のようだ。登場人物の心理描写も深く、時間の歪みがもたらす混乱と恐怖がリアルに伝わってくる。 この作品は読み手を選ぶかもしれないが、SFの可能性を追求した野心作として高く評価したい。一度読んだだけでは理解しきれない複雑さこそが、この物語の真の魅力なのである。
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