読書感想文

面白い小説本気レビュー

M・W・クレイヴン デスチェアの殺人 上 ワシントン・ポー

『デスチェアの殺人 上 ワシントン・ポー』

著者:M・W・クレイヴン
翻訳:東野 さやか

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『デスチェアの殺人 上 ワシントン・ポー』

M・W・クレイヴン 著 (東野 さやか 訳)

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 鋼の意志を持つ刑事ポーが、なぜカウンセリングを受けることになったのか。冒頭からその不穏な設定が読者の心を掴んで離さない。療法士に語りかけるという斬新な構成により、事件の全貌が徐々に明かされていく過程は、まるで謎解きパズルの断片を一つずつ拾い集めるような感覚である。 石打ちという古典的かつ残酷な手口で殺されたカルト教団の指導者、そして遺体に刻み込まれた暗号文字。これらの手がかりを追うポーと分析官ティリーのコンビは、読んでいて安心感を覚える。ティリーの卓越した分析能力とポーの信頼関係は、重苦しい事件の展開に一筋の光を差し込んでくれる。 15年前の事件との関連性が浮上し、複雑に絡み合う謎は上巻では解き明かされることなく、読者を下巻への強烈な期待へと導く。短い章立てによるテンポの良さも相まって、一気に読み進めたくなる魅力的な作品である。
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