『谷から来た女』
桜
木
紫
乃
の
筆
力
に
改
め
て
感
嘆
さ
せ
ら
れ
る
一
冊
で
あ
る
。
ア
イ
ヌ
紋
様
デ
ザ
イ
ナ
ー
と
い
う
職
業
を
持
つ
ミ
ワ
と
い
う
女
性
を
軸
に
、
1
9
8
2
年
か
ら
2
0
2
1
年
ま
で
、
複
数
の
時
代
を
行
き
来
し
な
が
ら
物
語
は
展
開
す
る
。
ミ
ワ
の
存
在
感
が
圧
倒
的
だ
。
決
し
て
声
高
に
主
張
す
る
わ
け
で
は
な
い
の
に
、
彼
女
と
関
わ
っ
た
人
々
は
皆
、
自
分
の
奥
底
に
眠
っ
て
い
た
感
情
と
向
き
合
う
こ
と
に
な
る
。
大
学
教
授
、
記
者
、
夜
の
街
で
働
く
女
性
―
―
そ
れ
ぞ
れ
が
背
負
う
人
生
の
重
み
が
、
ミ
ワ
と
の
邂
逅
を
通
じ
て
浮
き
彫
り
に
な
る
瞬
間
は
実
に
鮮
や
か
で
あ
る
。
各
話
は
静
か
な
ト
ー
ン
で
進
行
す
る
が
、
そ
の
奥
に
は
確
実
に
熱
い
血
潮
が
流
れ
て
い
る
。
桜
木
作
品
特
有
の
女
性
描
写
の
巧
み
さ
が
光
り
、
短
い
出
会
い
で
あ
っ
て
も
読
者
の
記
憶
に
深
く
刻
ま
れ
る
人
物
た
ち
が
次
々
と
登
場
す
る
。
時
代
を
遡
る
よ
う
な
構
成
に
よ
っ
て
、
ミ
ワ
と
い
う
人
物
の
輪
郭
が
立
体
的
に
浮
か
び
上
が
っ
て
く
る
趣
向
も
見
事
だ
。
北
海
道
と
い
う
土
地
の
持
つ
独
特
の
空
気
感
も
物
語
に
深
み
を
与
え
て
お
り
、
読
了
後
は
不
思
議
な
余
韻
に
包
ま
れ
る
。
スワイプして続きを読む
桜木紫乃の筆力に改めて感嘆させられる一冊である。アイヌ紋様デザイナーという職業を持つミワという女性を軸に、1982年から2021年まで、複数の時代を行き来しながら物語は展開する。 ミワの存在感が圧倒的だ。決して声高に主張するわけではないのに、彼女と関わった人々は皆、自分の奥底に眠っていた感情と向き合うことになる。大学教授、記者、夜の街で働く女性――それぞれが背負う人生の重みが、ミワとの邂逅を通じて浮き彫りになる瞬間は実に鮮やかである。 各話は静かなトーンで進行するが、その奥には確実に熱い血潮が流れている。桜木作品特有の女性描写の巧みさが光り、短い出会いであっても読者の記憶に深く刻まれる人物たちが次々と登場する。時代を遡るような構成によって、ミワという人物の輪郭が立体的に浮かび上がってくる趣向も見事だ。北海道という土地の持つ独特の空気感も物語に深みを与えており、読了後は不思議な余韻に包まれる。