『六月のぶりぶりぎっちょう』
万
城
目
学
の
新
境
地
と
も
言
え
る
本
作
は
、
京
都
と
い
う
古
都
の
持
つ
不
思
議
な
魅
力
を
存
分
に
活
か
し
た
二
つ
の
物
語
で
構
成
さ
れ
て
い
る
。
表
題
作
で
は
、
北
白
川
女
子
寮
と
い
う
舞
台
設
定
か
ら
し
て
既
に
興
味
深
い
。
平
安
時
代
さ
な
が
ら
の
「
女
御
」
「
局
」
と
い
っ
た
雅
や
か
な
言
葉
遣
い
が
飛
び
交
う
現
代
の
寮
生
活
と
い
う
発
想
が
実
に
巧
妙
で
、
読
者
を
一
気
に
物
語
世
界
へ
と
引
き
込
ん
で
い
く
。
特
に
印
象
的
な
の
は
、
謎
に
満
ち
た
お
局
様
の
存
在
で
あ
る
。
そ
の
正
体
を
巡
る
展
開
は
予
想
外
の
方
向
へ
と
進
み
、
思
わ
ず
声
を
上
げ
て
笑
っ
て
し
ま
う
場
面
も
多
い
。
一
方
、
も
う
一
編
で
は
歴
史
上
の
有
名
人
物
が
登
場
し
、
あ
の
有
名
な
出
来
事
の
真
相
に
迫
る
と
い
う
大
胆
な
設
定
が
読
者
を
驚
か
せ
る
。
深
刻
に
な
り
が
ち
な
テ
ー
マ
を
軽
や
か
に
、
そ
れ
で
い
て
ス
リ
リ
ン
グ
に
描
き
切
っ
た
手
腕
は
見
事
だ
。
2
0
0
0
年
代
の
空
気
感
と
京
都
ら
し
い
独
特
の
雰
囲
気
が
絶
妙
に
融
合
し
、
最
後
ま
で
飽
き
る
こ
と
な
く
読
み
進
め
ら
れ
る
。
万
城
目
学
ら
し
い
コ
ミ
カ
ル
な
筆
致
の
中
に
、
読
後
の
爽
や
か
な
余
韻
も
残
る
秀
作
で
あ
る
。
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万城目学の新境地とも言える本作は、京都という古都の持つ不思議な魅力を存分に活かした二つの物語で構成されている。表題作では、北白川女子寮という舞台設定からして既に興味深い。平安時代さながらの「女御」「局」といった雅やかな言葉遣いが飛び交う現代の寮生活という発想が実に巧妙で、読者を一気に物語世界へと引き込んでいく。 特に印象的なのは、謎に満ちたお局様の存在である。その正体を巡る展開は予想外の方向へと進み、思わず声を上げて笑ってしまう場面も多い。一方、もう一編では歴史上の有名人物が登場し、あの有名な出来事の真相に迫るという大胆な設定が読者を驚かせる。深刻になりがちなテーマを軽やかに、それでいてスリリングに描き切った手腕は見事だ。 2000年代の空気感と京都らしい独特の雰囲気が絶妙に融合し、最後まで飽きることなく読み進められる。万城目学らしいコミカルな筆致の中に、読後の爽やかな余韻も残る秀作である。