『ゆびさきに魔法』
指
先
に
宿
る
小
さ
な
魔
法
が
、
こ
ん
な
に
も
人
の
心
を
温
め
る
の
か
と
驚
か
さ
れ
る
作
品
で
あ
る
。
三
浦
し
を
ん
が
描
く
ネ
イ
ル
サ
ロ
ン
『
月
と
星
』
は
、
単
な
る
美
容
院
で
は
な
い
。
そ
こ
は
、
日
々
の
疲
れ
や
悩
み
を
抱
え
た
人
々
が
、
束
の
間
の
癒
し
を
求
め
て
訪
れ
る
特
別
な
場
所
な
の
だ
。
主
人
公
の
美
佐
を
は
じ
め
と
す
る
登
場
人
物
た
ち
は
、
そ
れ
ぞ
れ
が
抱
え
る
事
情
や
悩
み
が
リ
ア
ル
で
、
読
ん
で
い
て
自
分
の
周
り
に
も
い
そ
う
な
親
近
感
を
覚
え
る
。
巻
き
爪
に
悩
む
居
酒
屋
の
大
将
、
子
育
て
に
追
わ
れ
る
母
親
、
イ
メ
ー
ジ
を
気
に
す
る
俳
優
な
ど
、
一
見
バ
ラ
バ
ラ
な
客
層
だ
が
、
美
し
い
爪
へ
の
憧
れ
と
い
う
共
通
点
で
結
ば
れ
て
い
る
。
新
人
ネ
イ
リ
ス
ト
星
絵
の
成
長
物
語
も
織
り
交
ぜ
ら
れ
、
職
場
の
人
間
関
係
の
描
写
も
秀
逸
だ
。
何
よ
り
印
象
的
な
の
は
、
ネ
イ
ル
と
い
う
行
為
に
込
め
ら
れ
た
深
い
意
味
で
あ
る
。
単
な
る
お
し
ゃ
れ
で
は
な
く
、
自
分
を
大
切
に
す
る
気
持
ち
や
、
明
日
へ
の
小
さ
な
希
望
と
し
て
描
か
れ
る
爪
の
輝
き
に
、
読
み
手
も
心
を
動
か
さ
れ
ず
に
は
い
ら
れ
な
い
。
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指先に宿る小さな魔法が、こんなにも人の心を温めるのかと驚かされる作品である。三浦しをんが描くネイルサロン『月と星』は、単なる美容院ではない。そこは、日々の疲れや悩みを抱えた人々が、束の間の癒しを求めて訪れる特別な場所なのだ。 主人公の美佐をはじめとする登場人物たちは、それぞれが抱える事情や悩みがリアルで、読んでいて自分の周りにもいそうな親近感を覚える。巻き爪に悩む居酒屋の大将、子育てに追われる母親、イメージを気にする俳優など、一見バラバラな客層だが、美しい爪への憧れという共通点で結ばれている。新人ネイリスト星絵の成長物語も織り交ぜられ、職場の人間関係の描写も秀逸だ。 何より印象的なのは、ネイルという行為に込められた深い意味である。単なるおしゃれではなく、自分を大切にする気持ちや、明日への小さな希望として描かれる爪の輝きに、読み手も心を動かされずにはいられない。