読書感想文

面白い小説本気レビュー

村山由佳 雪のなまえ

『雪のなまえ』

著者:村山由佳

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『雪のなまえ』

村山由佳 著

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 学校という狭い世界で傷ついた子どもの心を、これほど繊細に描いた作品に出会えて良かった。主人公雪乃の抱える痛みは、読んでいて胸が苦しくなるほどリアルで、多くの読者が共感を覚えるだろう。 長野の山里という舞台設定が素晴らしい。四季の移ろい、地域に根ざした人々の暮らしが丁寧に描かれ、読んでいるだけで心が落ち着いてくる。雪乃が少しずつ心を開いていく過程も、決して性急ではなく、時間をかけて描かれているからこそ説得力がある。 この物語の魅力は、単純な善悪で割り切れない複雑さにある。家族それぞれに事情があり、村の人間関係にも現実的な軋轢が描かれている。それでも最終的に希望を感じられるのは、作者の筆力の賜物だろう。親子で読んで語り合いたい、心に残る一冊である。
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