『謎の香りはパン屋から』
漫
画
家
志
望
の
大
学
生
・
市
倉
小
春
が
ア
ル
バ
イ
ト
す
る
パ
ン
屋
を
舞
台
に
展
開
さ
れ
る
、
何
と
も
温
か
な
ミ
ス
テ
リ
ー
作
品
で
あ
る
。
友
人
と
の
約
束
が
キ
ャ
ン
セ
ル
さ
れ
た
理
由
か
ら
始
ま
る
物
語
は
、
殺
人
や
盗
難
と
い
っ
た
派
手
な
事
件
で
は
な
く
、
日
常
に
潜
む
小
さ
な
謎
を
丁
寧
に
描
き
出
し
て
い
る
。
こ
の
作
品
の
魅
力
は
、
主
人
公
の
鋭
い
観
察
眼
と
推
理
力
に
あ
る
。
些
細
な
変
化
や
違
和
感
を
見
逃
さ
な
い
小
春
の
視
点
を
通
し
て
、
読
者
も
一
緒
に
な
っ
て
謎
解
き
に
参
加
で
き
る
構
成
が
実
に
巧
妙
だ
。
ま
た
、
パ
ン
作
り
の
工
程
や
焼
き
た
て
の
香
り
、
店
内
の
雰
囲
気
な
ど
の
描
写
が
非
常
に
リ
ア
ル
で
、
読
ん
で
い
る
う
ち
に
実
際
に
パ
ン
屋
を
訪
れ
た
く
な
っ
て
し
ま
う
。
連
作
形
式
で
一
話
完
結
の
た
め
読
み
や
す
く
、
そ
れ
で
い
て
小
春
の
成
長
や
人
間
関
係
の
変
化
も
丁
寧
に
描
か
れ
て
い
る
。
ミ
ス
テ
リ
ー
で
あ
り
な
が
ら
全
体
に
流
れ
る
優
し
い
空
気
感
が
心
地
よ
く
、
読
み
終
え
た
後
は
温
か
な
気
持
ち
に
包
ま
れ
る
一
冊
で
あ
る
。
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漫画家志望の大学生・市倉小春がアルバイトするパン屋を舞台に展開される、何とも温かなミステリー作品である。友人との約束がキャンセルされた理由から始まる物語は、殺人や盗難といった派手な事件ではなく、日常に潜む小さな謎を丁寧に描き出している。 この作品の魅力は、主人公の鋭い観察眼と推理力にある。些細な変化や違和感を見逃さない小春の視点を通して、読者も一緒になって謎解きに参加できる構成が実に巧妙だ。また、パン作りの工程や焼きたての香り、店内の雰囲気などの描写が非常にリアルで、読んでいるうちに実際にパン屋を訪れたくなってしまう。 連作形式で一話完結のため読みやすく、それでいて小春の成長や人間関係の変化も丁寧に描かれている。ミステリーでありながら全体に流れる優しい空気感が心地よく、読み終えた後は温かな気持ちに包まれる一冊である。