『図書館に火をつけたら』
市
立
図
書
館
と
い
う
身
近
な
舞
台
で
繰
り
広
げ
ら
れ
る
本
格
ミ
ス
テ
リ
ー
だ
が
、
単
な
る
事
件
小
説
に
留
ま
ら
な
い
深
み
が
あ
る
。
火
災
現
場
の
地
下
書
庫
で
発
見
さ
れ
た
遺
体
か
ら
始
ま
る
謎
解
き
は
、
派
手
な
ト
リ
ッ
ク
で
は
な
く
人
物
の
心
理
に
重
点
を
置
い
た
構
成
で
、
推
理
の
筋
道
が
明
確
に
描
か
れ
て
い
る
。
特
に
印
象
深
い
の
は
、
図
書
館
の
日
常
業
務
や
本
の
修
復
技
術
な
ど
、
普
段
は
見
え
な
い
世
界
へ
の
丁
寧
な
描
写
だ
。
こ
れ
ら
の
専
門
的
な
知
識
が
物
語
に
厚
み
を
与
え
る
と
同
時
に
、
読
者
に
と
っ
て
新
鮮
な
発
見
と
な
る
。
刑
事
・
瀬
沼
の
子
ど
も
時
代
の
回
想
が
捜
査
の
重
要
な
手
が
か
り
と
し
て
機
能
す
る
構
成
も
巧
妙
で
、
過
去
と
現
在
を
行
き
来
す
る
展
開
に
引
き
込
ま
れ
る
。
登
場
人
物
の
数
も
適
度
に
抑
え
ら
れ
て
お
り
、
文
章
も
読
み
や
す
く
、
ミ
ス
テ
リ
ー
初
心
者
で
も
安
心
し
て
楽
し
め
る
。
図
書
館
の
プ
ラ
イ
バ
シ
ー
問
題
や
運
営
方
針
な
ど
、
現
代
的
な
テ
ー
マ
も
織
り
込
ま
れ
て
お
り
、
推
理
小
説
と
し
て
の
面
白
さ
と
社
会
性
を
両
立
し
た
秀
作
で
あ
る
。
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市立図書館という身近な舞台で繰り広げられる本格ミステリーだが、単なる事件小説に留まらない深みがある。火災現場の地下書庫で発見された遺体から始まる謎解きは、派手なトリックではなく人物の心理に重点を置いた構成で、推理の筋道が明確に描かれている。 特に印象深いのは、図書館の日常業務や本の修復技術など、普段は見えない世界への丁寧な描写だ。これらの専門的な知識が物語に厚みを与えると同時に、読者にとって新鮮な発見となる。刑事・瀬沼の子ども時代の回想が捜査の重要な手がかりとして機能する構成も巧妙で、過去と現在を行き来する展開に引き込まれる。 登場人物の数も適度に抑えられており、文章も読みやすく、ミステリー初心者でも安心して楽しめる。図書館のプライバシー問題や運営方針など、現代的なテーマも織り込まれており、推理小説としての面白さと社会性を両立した秀作である。