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面白い小説本気レビュー

鈴木智 ラバウルの迷宮

『ラバウルの迷宮』

著者:鈴木智

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『ラバウルの迷宮』

鈴木智 著

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姿
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 終戦直後のラバウル捕虜収容所という特異な舞台設定に、まず心を奪われる。10万人もの日本兵がひしめく混沌とした状況下で、元情報将校が「忠臣蔵の上演」という一見奇妙な密命を受ける展開は、読み始めた瞬間から強烈な引力を持っている。 舞台づくりが進む中で、各々の専門技能を活かしながら協力する捕虜たちの姿には、極限状況でも失われない人間の創造力と結束力を感じずにはいられない。しかし物語の真の醍醐味は、表向きの舞台準備の陰に潜む不穏な空気と、密林の奥深くに隠された戦中の秘密にある。暴動の気配が漂う中での緊迫感は、ページをめくる手を止めさせない。 かつて敵同士だった日本兵と豪州軍人の間に生まれる意外な絆や、戦後をいかに生きるべきかという重いテーマが、サスペンス要素と見事に融合している。戦争の傷跡を背負いながらも、希望を見出そうとする人々の姿に深く胸を打たれる作品である。
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