読書感想文

面白い小説本気レビュー

中山七里 能面検事の死闘

『能面検事の死闘』

著者:中山七里

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『能面検事の死闘』

中山七里 著

3

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 現代社会の病理を鋭くえぐり出す、中山七里の力作である。無差別殺人事件の発生から始まる物語は、冒頭から息つく暇もないほどのスピード感で読者を引き込んでいく。特に印象的なのは、事件を取り巻くネット世論の描写だ。加害者への歪んだ共感や擁護の声が渦巻く様子は、まさに現実と地続きの恐ろしさを感じさせる。 物語の中核を成すのは、不破検事による緻密な捜査過程である。派手さはないものの、一つひとつの証拠を丁寧に積み重ねていく地道な作業こそが、この作品の真骨頂と言えるだろう。読者も探偵役となって犯人像を推理しながら読み進められるため、最後の真相解明では深い納得感を味わえる。 シリーズ第3弾ということで登場人物たちの関係性も安定しており、初読者でも入りやすい構成となっている。不破検事の冷静沈着な魅力と、社会派ミステリーとしての重厚な読み応えを併せ持つ傑作だ。
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