『硝子の塔の殺人』
雪
深
い
森
に
佇
む
幻
想
的
な
硝
子
の
塔
を
舞
台
に
繰
り
広
げ
ら
れ
る
、
正
統
派
館
ミ
ス
テ
リ
ー
の
傑
作
で
あ
る
。
大
富
豪
に
招
か
れ
た
客
人
た
ち
が
次
々
と
襲
わ
れ
る
展
開
は
、
確
か
に
古
典
本
格
の
定
石
を
踏
ん
で
い
る
。
し
か
し
、
こ
の
作
品
の
真
骨
頂
は
、
そ
の
王
道
パ
タ
ー
ン
を
現
代
的
な
筆
致
で
見
事
に
蘇
ら
せ
た
点
に
あ
る
。
物
語
は
冒
頭
か
ら
読
者
の
心
を
掴
ん
で
離
さ
な
い
。
一
見
お
約
束
の
展
開
で
あ
り
な
が
ら
、
ペ
ー
ジ
を
め
く
る
手
が
止
ま
ら
な
い
の
は
、
作
者
の
巧
妙
な
仕
掛
け
と
圧
倒
的
な
引
き
の
強
さ
に
よ
る
も
の
だ
。
名
探
偵
・
碧
月
夜
と
医
師
・
一
条
遊
馬
の
コ
ン
ビ
が
挑
む
謎
解
き
は
、
推
理
小
説
愛
に
満
ち
た
細
や
か
な
描
写
と
共
に
描
か
れ
、
ミ
ス
テ
リ
ー
フ
ァ
ン
の
心
を
熱
く
さ
せ
る
。
特
に
終
盤
の
怒
涛
の
展
開
は
圧
巻
で
、
二
転
三
転
す
る
真
相
に
完
全
に
翻
弄
さ
れ
た
。
古
典
へ
の
敬
意
を
込
め
な
が
ら
も
、
決
し
て
模
倣
に
終
わ
ら
な
い
知
念
実
希
人
の
手
腕
に
脱
帽
で
あ
る
。
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雪深い森に佇む幻想的な硝子の塔を舞台に繰り広げられる、正統派館ミステリーの傑作である。大富豪に招かれた客人たちが次々と襲われる展開は、確かに古典本格の定石を踏んでいる。しかし、この作品の真骨頂は、その王道パターンを現代的な筆致で見事に蘇らせた点にある。 物語は冒頭から読者の心を掴んで離さない。一見お約束の展開でありながら、ページをめくる手が止まらないのは、作者の巧妙な仕掛けと圧倒的な引きの強さによるものだ。名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬のコンビが挑む謎解きは、推理小説愛に満ちた細やかな描写と共に描かれ、ミステリーファンの心を熱くさせる。 特に終盤の怒涛の展開は圧巻で、二転三転する真相に完全に翻弄された。古典への敬意を込めながらも、決して模倣に終わらない知念実希人の手腕に脱帽である。