読書感想文

面白い小説本気レビュー

薬丸岳 籠の中のふたり

『籠の中のふたり』

著者:薬丸岳

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『籠の中のふたり』

薬丸岳 著

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 他人との関わりを避け続けてきた弁護士と、傷害致死事件で服役していた男性という組み合わせから始まる物語だが、読み進めるほどに温かな読後感に包まれる作品である。薬丸岳らしい重厚なテーマを扱いながらも、今作は人間関係の機微に焦点を当てた、どこか優しさに満ちた仕上がりとなっている。 主人公の快彦が心の扉を少しずつ開いていく過程が実に巧妙で、読者も一緒にその変化を体感できるのが素晴らしい。亮介という人物の描き方も秀逸で、彼の人柄に触れるうちに、なぜ周囲の人々が彼を慕うのかが自然と理解できる。 物語に散りばめられた謎が終盤で見事に回収される構成も見事だ。特にタイトルの真の意味が判明する瞬間は、読者の心に深く刻まれるだろう。重いテーマを扱いながらも最後まで希望を失わない、薬丸岳の筆力が光る傑作である。
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