読書感想文

面白い小説本気レビュー

貴志祐介 兎は薄氷に駆ける

『兎は薄氷に駆ける』

著者:貴志祐介

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『兎は薄氷に駆ける』

貴志祐介 著

調

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 日常が一瞬にして崩壊する恐ろしさを、これほどまでにリアルに描いた作品はそう多くない。容疑者として連行された青年の心境変化と、威圧的な取り調べによって徐々に追い詰められていく様子は、読んでいて背筋が寒くなる。誰もが被害者になり得る冤罪という問題を、決して他人事として読むことはできないだろう。 物語の核となる法廷シーンでは、検察側と弁護側の息詰まる攻防が展開される。証拠の解釈をめぐる論理的な応酬は知的興奮を呼び起こし、どちらが正しいのかを見極めようと必死になって読み進めてしまう。貴志祐介らしい緻密な構成力が光り、過去と現在を結ぶ謎解きの要素も巧妙に織り込まれている。 重いテーマを扱いながらも、エンターテインメント作品として十分に楽しめる仕上がりとなっている。司法制度に対する疑問を投げかけながら、最後まで息つく暇のない展開で読者を魅了する力作である。
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