『アルプス席の母』
看護師の母・菜々子が息子の高校野球のため大阪へ移住。保護者会の厳しいルールや母同士の複雑な人間関係に翻弄されながら、親子で成長を遂げる感動作。母親の視点から描かれる高校野球の世界が新鮮で心に響く。
面白い小説本気レビュー
看護師の母・菜々子が息子の高校野球のため大阪へ移住。保護者会の厳しいルールや母同士の複雑な人間関係に翻弄されながら、親子で成長を遂げる感動作。母親の視点から描かれる高校野球の世界が新鮮で心に響く。
全編が対話形式で進む異色の文学作品。20歳の天才数学者アリシアと担当医の会話を通して、知性の孤独と愛の業が浮かび上がる。数学・哲学の深淵な対話に圧倒されながらも、人間の根源的な孤独に胸を打たれる一冊である。
バレエに魅入られた天才舞踊家を、様々な人物の視点で描く芸術小説。恩田陸の言葉の魔力が織りなす、創造と情熱の物語に圧倒される。表現者の生き様を通して、芸術の本質に迫る傑作だ。
日常に潜む小さな違和感が、最後の一瞬で見えている世界を180度変えてしまう。水生大海の短編集は、善意と悪意の境界線を巧妙に描き、読者を予想外の結末へと導いていく。
冤罪の恐怖を描いた貴志祐介の社会派ミステリー。取り調べの圧迫感がリアルで、司法制度の闇を暴く展開に引き込まれる。弁護士と検察の論戦も見どころだ。
異世界ファンタジーでありながら現実的な社会問題に踏み込む『魔女と傭兵』第3巻。日常の安らぎと種族差別という重いテーマが絶妙に織り交ぜられ、二人の関係性も新たな段階へ。
警察組織の暗部と光、そして刑事の矜持を描いた骨太な一作。疎まれながらも正義を貫く影山と成長する若手村上の関係性が心に残る。
情報の洪水に翻弄される現代を鋭く描いた角田光代の社会派長編。昭和から令和にかけて二人の人生を通じて「信じること」の意味を問いかける、読み応え十分の力作である。
近未来の日本を舞台に、難民問題とテロの影に隠された首相暗殺計画を描く本格サスペンス。公安刑事・東郷が正体不明の暗殺者を追う中で、複数組織の思惑が絡み合う緊迫の展開が待っている。
警察内部で起きた盗難事件を巡り、組織の闇と向き合う森口泉。誰もが容疑者となる状況で、真実を見極める彼女の姿に胸が熱くなる。重厚なテーマと緊迫した展開が織りなす、警察小説の傑作。
巨大な竜が気候を支配する世界で、その健康を守る「医師団」の活躍を描いた医療ファンタジー。病気の診断と治療を通じて壮大な世界の謎に迫る、スケールの大きな物語の幕開けである。
滋賀・大津を舞台に、わが道を行く成瀬あかりの姿を周囲の人々の視点で描いた連作短編集。章ごとに変わる語り手から見える成瀬の魅力と、ローカル感溢れる日常描写が心地よく、読後に自分らしく生きる勇気をもらえる作品だ。
警察小説で知られる柚月裕子が描く、南部鉄器工房を舞台にした感動の家族小説。問題を抱えた少年を預かることになった親子の、言葉にできない想いが静かに心に響く。
名探偵ホームズがヴィクトリア朝京都でスランプに陥るという奇想天外な設定から始まる、森見登美彦による独創的なホームズ小説。推理小説の枠を超えた語りの妙と、読後に印象が一変する大転回が魅力的な一冊である。
1か月後に地球が滅亡すると告知された世界で、人々はどう生きるのか。凪良ゆうが描く終末の群像劇は、読む手を止められない圧倒的な吸引力で、生きることの意味を問いかけてくる。
間取り図に隠された恐怖を描く『間取りホラー』の傑作。謎の空間から始まる驚愕の物語展開に、最後まで息つく暇もなく読み進んでしまう。日常に潜む不気味さを巧妙に描いた、新感覚のミステリーホラー。
戦後からバブル時代までを駆け抜けた一人の女性投資家の生涯を描く力作。関係者への取材形式で紡がれる物語は、まるでドキュメンタリーのような臨場感に満ちている。
食う、寝る、書く――人生の基本動作に込められた深い意味を、停滞期の作家と新人編集者の視点で交互に描く物語。仕事への焦りと再生の過程が、日常の積み重ねとして静かに心に響く。
コロナ禍の北京を舞台に、夫を追って単身中国へ渡った主人公・菖蒲の異文化体験記。隔離生活から始まる現地生活を通じて、食べ物、人々、街の熱気を貪欲に観察し続ける菖蒲の視線が痛快だ。
母を亡くした悲しみを抱える百花が、満月の夜に出会う不思議な体験。星の導きと温もりに包まれながら、心の傷を癒していく過程が優しく描かれた、人気シリーズ第5弾の感動作。